悟りを開いた訳じゃあるまい
死とは
死に対する恐怖
考え出すと心を占める思い
知らないことに対する怖れ
自分がいなくなること
今この死について考えている自分がいなくなること
恐怖しかなかった
手探りの考え
脳の働き 体の仕組み
いろんな情報をインプットにして
いろんな経験を積み重ねて
おぼろげに見えてきた考え
頭で考えることができるだけ
答えはないけれど
眠ること
眠るのを怖れる人はいないだろう
死を眠りと考えるのなら恐怖はないかもしれない
目覚めることのない眠り
目覚めなかったらどうしようと考えるのは怖い
でも考えるのは眠るまでだ
安らかに眠ることができれば
恐怖を感じている自分はいない
眠っている時も
自分は世界からある意味切り離されているのだから
記憶のつながり
その意味では毎日一度死んで生まれ変わっているのかもしれない
死と異なるのは記憶がつながること
つながる記憶がなくなれば
それが永遠の眠り
本能的なおそれ
子どもが眠りを恐がるのは
無意識に死を感じているからかもしれない
記憶がつながらない
自己が確立されていない
だから混沌の中に埋もれてしまう恐怖を感じているのかもしれない
大切なもの
細胞の再生と記憶の構築
自分が生きてきた記憶の中で
鮮明に残っているものと曖昧になっていくもの
確たるものとして心に残るものは少ない
それが大切なもの
大切なものを持つことができたなら
それを感じることができたなら幸せだ
気持ちが充足している中で眠りたい
充足
生きる幸せ 人生の意味と
死の安息 意識の休息
明日を信じる心
陽がまた昇る幸せ
時の流れに翻弄されると
心の焦りばかりが迫ってくる
ただありのままを受け入れる時を持てることこそが幸せと
悟ることができたなら…